Feature Report特集レポート
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世界には、だまされて売春宿に売られ、
無理やり働かされてしまう子どもたちがいます。
子どもたちは、暴力や恐怖で支配され、
逃げることもできません。
「どんな子どもも、売られるなんてことが
あってはいけない」
「そんな子どもたちを守りたい」
かものはしは、そんな想いで、
この問題に真正面から取り組んでいます。
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かものはしプロジェクトは21年目に入った。2022年には、かものはしの理念の中心に「尊厳」をすえる意思決定をした。そして、組織を変化させていくために僕が理事長という役割を担わせてもらうことも決めた。このタイミングで、かものはしの始まり、インドへの展開、カンボジアからの撤退とSALASUSUの独立という3つの大きな局面について振り返り、学びを言葉にした。あわせて、理事長としての指針について皆さまに共有したい。
2002年にかものはしプロジェクトがスタートした。村田は子どもたちの状況についてなんとかしたいと思っていた。そして、僕ともうひとりの創業メンバーの本木は、なんとかできるかもと思って、その可能性にわくわくしていて、かものはしは始まった。僕が村田から児童買春の話を聞いたのが19歳。深夜まで話し込んだ。3ヶ月だけやってみようと決めた。3ヶ月だけ調査して、自分たちにできそうなことがあるか考えてみようと話した。そして、ITで児童買春問題を解決するというコンセプトの事業を立案し、もう少しやってみようと決めた。自分が担当したのはITビジネスの立ち上げ。3人の中ではパソコンがわかるほうだったというそれだけだった。最初の仕事は、プロジェクトを開始してから6ヶ月後、当時、若者の間では死活問題だった、携帯電話のメッセージの「絵文字」に関連する仕事。売上は数万円だった。
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Report of Japan
私はかものはしプロジェクトの日本事業部で、チームの皆と一緒に事業の立案と推進を行っています。児童虐待に取り組もうと決めた後、私たちはこの問題について知ることから始めるため、ある20代の被虐待経験者の女性に話を聞かせてもらうことになりました。
4年前のその日、私は当事者を前に緊張と戸惑いを感じていました。どんな顔で、どんな反応をしたら良いのだろうかと。話を聞き始めると、彼女は繰り返し「重い話ですみません」とぎこちない笑顔を作りながら壮絶な経験を振り返り、人生を語ってくれました。
何かがおかしい。違和感を感じました。その正体を探っていくと、「なぜ、虐待を生き抜いてきた彼女が、その経験を謝りながら語るのだろうか」という疑問が浮かびました。謝るべきはむしろ、虐待を引き起こし、それを傍観していた社会なのではないか。そして私自身がその社会の一部だ。自分が恥ずかしくなり、この問題に取り組むことに不安を覚えました。
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Report of India
私はインドに人類の美しさを見る。日本にいると、インドはカオスの国で、たかられたり騙されたり、汚くて臭くて、路上に人が溢れ、女性が商品として扱われ、カースト制度が色濃く残っているイメージが強いかもしれない。それも現在のインドが持つ一側面であることには変わりがないけれども、この国には、愛と闘いと民主主義がある。そして私は訪れるたびに、それに強く心が動かされて、涙が出てくる。そこにある、人を想う心、なんとかしようとする多くの人たちに私は何度も救われてきた。
2022年度はインド出張を3年ぶりに再開した年となった。これを書いている今も私は帰国前の飛行機の中だ。
かものはしは問題解決のため様々な現地団体とパートナーシップを結び活動しています。
©Siddhartha Hajra
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